本県の海岸線は、総延長400kmで、北部と南部で入り組んだ複雑な海岸が多くみられますが、中部は平坦な砂丘地帯となっています。
沿岸の海域は、沖合を北上する黒潮の影響が強く、流入河川水や豊後水道から南下する沿岸水と黒潮との間で複雑な海況を呈して、イワシ、アジ、サバの好漁場となり、さらにその沖合にはカツオ、マグロの漁場が形成されています。
海面においては、北部ではまき網、船びき網などの網漁業とブリ類を主体とする養殖業、中部では船びき網、一本釣、ひき縄、はえ縄、底びき網などの沿岸漁業、さらに南部ではかつお一本釣、まぐろはえ縄等の沖合、遠洋漁業およびブリ類の養殖が盛んに営まれています。
漁業への就業形態は独立型と雇用型に分けられます。
独立型は、自らが船を所有し、漁業を営みます。雇用型は、漁業会社等に雇われ、漁船乗組員として働きます。
自らが船を所有し漁業経営を行います。自分に合ったライフスタイルで漁業が行える一方、一人前になるまで時間がかかることや、初期投資もかかるので、着業までにはある程度の資金の蓄えが必要です。
以下の漁業種類での着業が可能です。
主に夕方から朝にかけて、袋状の網で砂地の海底をひき、エビ、カニ、ヒラメなどの海底にいる魚を漁獲します。
県北、県中の漁協で主に行われており、各地の沿岸を漁場としています。
魚の通り道に網を張り、サワラ、カマス、キス、ボラなどをからめて漁獲します。
県内各地の漁協で行われており、各地の沿岸を漁場としています。
重りを付けた網を沈め、イセエビなどの海底にいる魚をからめて漁獲します。
県内各地の漁協で行われており、各地の沿岸を漁場としています。
釣針にえさを付けた縄を海に流して、タイ、フグ、トビウオ、シイラ、アマダイ、オオニベなどを釣ります。
県内全域の漁協で行われており、各地の沿岸を漁場としています。
えさに似せた仕掛けを出して船を走らせ、えさと間違って食いつくカツオ、小型のマグロ、シイラなどを釣ります。
県内全域の漁協で行われており、各地の沿岸を漁場としています。
漁業会社で乗組員として働きます。遠洋や沿岸、漁業種類によって働き方が異なります。
まずは、一般船員としてのスタートですが、経験を積み、海技士等の資格を取得すれば、船長や機関長への道も開けます。
雇用形は、ある程度決まった給与が支給されるほか、独立型に比べ初期投資もかからず、未経験の方でも着業しやすい就業形態です。
以下の漁業種類で雇用型の着業が可能です。
広い海原に魚群を追って、カツオや小型のマグロなどをさおで1尾1尾釣ります。生きたイワシと海水をシャワーのようにまいて魚を集めます。
宮崎県は、かつお一本釣漁業でのかつおの水揚げは日本一です。県南部の漁協所属船で主に行われており、南西諸島から三陸東沖を漁場としています。
釣針にえさを付けた縄を約100km海に流し、マグロ、カジキなどを釣ります。
午前中に縄を流し、夕方から揚げ始めます。
県内各地の漁協に所属船があり、南西諸島から三陸東沖を漁場としています。
5隻程度で船団を組み、夜に海にでます。イワシ、アジ、サバ、の魚群を発見すると、照明を明るくして魚を集め、集まったところを網で囲んで漁獲します。
県北部の漁協所属船で主に行われており、日向灘を漁場としています。
朝から夕方にかけて、浅い海で袋状の網を2隻で引き、「チリメン」と呼ばれるイワシの稚魚を漁獲します。
漁獲後は、天日干し等の加工製品化まで行っている経営体も多くあります。
県内各地の漁協に所属船があり、各地の沿岸を漁場としています。
魚の通り道に網を仕掛け、ブリ、アジなどが泳いで網の奥に迷い込んだところを漁獲します。
県内各地に漁業権が設定され、各地の沿岸が漁場となっています。
網で囲ったいけすなどを使用し、ブリ類、タイなどをえさを与えて育てます。
県北、県南に漁業権が設定され、養殖場となっています。